に子供の病気Q&A

ワクチン(予防接種)について

ワクチンはいつ、どのように開始すれば良いのでしょうか。はじめてのワクチン接種なら、とても迷われるのだろうと思います。生後2か月を過ぎたころ、開始するのがおすすめです。はじめに、ロタ・B型肝炎・ヒブ・肺炎球菌の4つを同時接種します。
ワクチンには公費(無料)のワクチンと自費(有料)のワクチンがあります。2020年4月から、これまで有料だったロタウイルスワクチンが公費(無料)で接種できるようになりました。さらに、おたふくワクチンにも補助金がでるようになりました※(※該当者さんかどうかお知らせをご覧ください)。
公費でできるワクチンは是非接種しておきましょう。自費ワクチンは接種しておくほうが良いですが、迷ってしまう場合は相談してください。
スケジュールの立て方はクリニックにいらしていただいて直接相談していただくか、ご自身でお調べになる場合には「VPD」などで検索していただきますと詳しい情報を見ることができます。当院の「お役立ちリンク:KNOW-VPD」から検索できます。
当院では予防接種・健診の専門時間(pm2:30)以外に、2020年4月からクリーンタイム(平日pm3:00-4:00、土曜pm3:00~3:30)を設けました。安心してご来院できるように、かぜ症状のあるお子さんとは時間を分けております。ご利用ください。

乳幼児健診について

子どもは「親が教えなくても、自然にできるようになること(お座り、一人歩きなど)」が、どれくらの時期からできるようになるのかが、だいたい決まっています。健診ではからだに異常がないかどうか、また、お子さんの発達が年齢相当かどうかを診て参ります。発達が少し早いお子さん、少しゆっくりペースのお子さん、正常発達にも個人差があります。
市販の育児書にいろいろなアドバイスが書かれていますが、正しいやり方は1つではありません。
ほかのお子さんと比較したり「こうあるべき」ということに、あまりまどわされ過ぎずに育てましょう。

喘息

咳が長く続く、夜眠れない、ゼーゼー・ヒューヒューするなどの症状は気管支喘息を持つお子さんに見られます。ヒューヒューすることをを専門用語で喘鳴(ぜんめい)と呼びます。喘鳴(ぜんめい)が繰り返しある場合に喘息と診断します。
喘息の診断の基本は聴診をすることです。ひとことで喘息といっても、本当に症状が軽いお子さん~中くらい、重いお子さんまで様々で、治療方法が異なります。症状が軽いお子さんは喘息発作がでたときだけ治療をすれば大丈夫です。中くらい~重いお子さんの場合は、喘息発作がおきないように、日ごろからお薬を使うと治っていきます。
乳幼児の喘息は、しっかり治療をすることで、小学校くらいまでに多くのお子さんが治ります。どのような治療を選んだらよいか、クリニックでご家族とお子さんが受け入れやすい方法をご提案して参ります。

息を吸うときのヒューヒュー音

クループと呼ばれる病気は息を吸うときにヒューヒュー音がします。ケンケンして苦しそうな咳や、声がかすれることもあります。喘息はおもに息を吐くときにヒューヒューしますので、違う病気だとわかります。とくに小さいお子さんでは、夜中に睡眠ができないくらい咳がでることがあります。そのようなときには病院で吸入治療をします。飲み薬も使います。症状はたいてい1~2日くらいで改善に向かいます。
一方、3歳以上のお子さんに同じような症状がみられるときは、まれに細菌性の急性喉頭蓋炎のことがあります。急性喉頭蓋炎はほんの数時間程度で急激に悪化します。
お子さまの様子をみていて、眠れないくらいひどい場合、息が苦しそうだと感じたら躊躇せずに早めに受診するようにしましょう。

耳と鼻とのど

耳と鼻とのどは全部つながっています。鼻やのどから入ってきたウイルスなど(侵入者)は、そこでからだの免疫細胞と戦います。免疫細胞とウイルスなど(侵入者)の戦いを、戦争と呼ばすに、炎症(えんしょう)と呼びます。鼻やのどだけの狭い範囲の炎症なら「かぜ」と呼びます。鼻やのどのかぜになれば、炎症は耳にも広がり「中耳炎」になります。もし炎症が気管支に広がれば「気管支炎や肺炎」になります。乳幼児は免疫が万全ではないため、しばしばかぜにかかります。途中から中耳炎や気管支炎になることがあります。
以前はかぜになるとすぐに抗生物質を処方するせんせいが多くいました。しかし最近では抗生物質の使い過ぎによって、耐性菌の問題がクロースアップされています。抗生物を使うタイミングは細菌(侵入者)が強く、自身の免疫細胞だけでは勝負に負けてしまうのではないか?というときに使いたいです。はじめから自分の免疫力で勝負に勝てるときには使わないほうがよいお薬です。
さて、実際にどういった場合に抗生物質を使うのかは診察で判断して参ります。
また最近ではアレルギーによる炎症をおこすお子さんもいます。通常のかぜとは症状や経過が異なっている場合です。お子さんにも使うことができる抗アレルギー薬が以前より種類も増えてきました。効果を確認しながら使います。

高熱と不機嫌

よく、「子どもは自分で症状を言わないから診断が難しい」と言われています。しかし、必ずしもそうではありません。とくに、病気が悪そうな病気なのか、あまり心配のいらない病気なのかを判断することは、症状を我慢しない子どものほうがわかりやすいとも言えます。たとえば高熱(38度~39度以上)があっても、遊んだり、ごはんや水分もとれたりする場合は、あまり心配ないことがほとんどです。
突発性発疹症に代表される、心配のいらない病気(まれに痙攣や脳症を起こすこともある)で高熱が3日間程度続くことがあります。高熱がすぐに下がらなくてもこわい病気ではないことがあります。その一方で、川崎病や細菌性髄膜炎(ワクチン接種でだいぶ減りました)に代表される重い病気では高熱以外に、ぐったりしている、水分を取りたがらない、不機嫌などの症状が見られます。
発熱の原因が重い病気なのか?心配のない病気なのか迷うことがあります。診察で判断できない場合は、微量の血液をとって炎症反応を測定することがあります。その日のうちに結果が出ます。

腹痛

よくお子さんはお腹の痛みを訴えます。お腹の痛みはいろいろ原因が考えられ、診察でお腹を触っただけでは診断がつかないことがあります。ただ、心配のなさそうな腹痛と、心配そうな腹痛があります。
たとえばうまく便が出せない、下痢をしているなど、腸の動きに異常がある痛みは一般的にあまり心配がいりません。しばしば、おへそ周囲または、おなかの左側の痛みで、周期的に痛くなったり、良くなったりします。一方で、虫垂炎(盲腸と呼ばれている)に代表される心配な腹痛は、お腹の痛みがずっと続いて、時間がたつとだんだん悪化します。発熱、嘔吐などほかの症状も見られます。
幼児期~学童期のお子さんがお腹を痛がるときは虫垂炎(盲腸)の可能性がないかどうか注意します。右下腹部の痛みがあると典型的ですが、はっきりしないことがあります。もしも虫垂炎が疑われるなら、検査や、必要な場合は手術までできるように準備をしなければなりません。診察してみて疑いがある場合には検査(当院ではできない腹部エコー、腹部CT、腹部MRIなど)ができる医療機関をご紹介させていただきます。

下痢・嘔吐

下痢・嘔吐の原因の多くはウイルスが感染することによるウイルス性胃腸炎です。感染性胃腸炎ともいいます。以前は冬から春にかけて流行することが多かったのですが、最近はどの季節でも小さい流行はあります。便が白っぽくなることで知られるのがロタウイルス胃腸炎です。
ウイルスをやっつけるお薬はありません。胃腸炎治療でいちばん大切なことは水分補給をすることです。しかも塩分も糖分も一緒に補給できると早く良くなります。そのため経口補水液(OS-1)やイオン飲料(スポーツドリンク)などを用いて水分補給をすることをおすすめします。お水、お茶を飲ませても塩分と糖分が足りないためになかなか良くなりません。
いつから、どのように水分補給すればよいかは診察で詳しく説明いたします。また、いつから保育園や学校に行ってよいかも説明いたします。
ウイルス性胃腸炎は集団の中で流行しやすい病気ですので、生後2か月からロタワクチンで予防しておくことをおすすめします。ロタワクチンはお口から飲むタイプのワクチンです。

便に血が混じる

便に血が混じる場合は注意が必要です。もしも便が硬くて、便の表面にだけ血がついている場合は肛門付近から出血している可能性があり、あまり心配いりません。一方、便そのものが(たとえばイチゴジャムのように)赤い場合は注意が必要です。
もしもお子さんが1歳前後の乳幼児なら腸重積かどうか判断します。血便以外にお腹を痛がる・火がついたように泣く、不機嫌、顔色が悪くなる、嘔吐するなどの症状があればさらに疑いがあります。外来で浣腸をして排便させて、便に血が混じっていないかどうかを調べることもあります。腸重積は早く治さないとならない病気です。早期診断できれば入院して小児科で治療(整復治療)ができます。もし整復治療ができない場合には外科手術になることがあります。
腸重積以外にも便に血が混じる病気はありますが、十分に注意をします。

落ち着きがない、マイペースな行動

最近はADHDという名前が広く知られるようになりました。落ち着きがない、衝動的な行動がある、同年齢のお子さんとのコミュニケーションが成り立ちにくいなど。それ以外にも、興味関心の向けかたが変わっている、感覚過敏など。よくコミュニケーションが上手でないと言われていますが、親などの年上の人とのコミュニケーションはできることが多いです。ADHD以外にASDなども含めて発達障害と呼ばれています。発達障害の原因は遺伝的なものと考えられており、妊娠中や生後の出来事などが原因で後天的に生じるのではありません。しかし発達障害の症状がはっきりする時期が、集団生活に入ってからのタイミングであることが多いため、どうしても育て方が悪かったせいではないか?と誤解してしまうことがあります。
発達障害の症状はご家庭にいるときにはあまり目立ちません。集団生活ではっきりします。そのため、はじめに気が付くのが幼稚園や保育園の先生であったりします。集団生活では症状が目立っいても、ご自宅に帰ると症状が目立たないことがしばしばあります。そのため、園の先生と保護者さんとの間で、意見の不一致がしばしばおきます。もし発達障害の可能性があるなら一度病院に受診して医師の診断をもらうと良いでしょう。できれば就学前に診断できると、いくつかの準備ができます。もし診断できないで学校に行くと、今度は学校の先生と保護者さんの間で、意見の食い違いがおきてしまい、最終的にはお子さんにとって好ましくない結果になります。ご自宅の様子だけでは発達障害かどうかは判断できないものだということを心得ていただくと良いでしょう。
当院では、もし発達障害の疑いがあれば診断に関して専門医療機関をご紹介させていただいています。診断までには時間がかかりますので、早い段階で受診することをお薦めします。

食物アレルギーについて

乳児期に始めて食べた卵・小麦・乳などで、食べて数時間以内に、じんましんや顔が腫れたり、せき込んだり、嘔吐したり、機嫌が悪くなったり、そのような症状が反復して見られる場合に食物アレルギーを疑います。以前はアレルギー検査の結果(陽性・陰性)で判断していたこともありますが、最近は必ずしもアレルギー検査の判定結果(陽性・陰性)とアレルギー症状がでるかどうかは一致しないということがわかってきました。また、以前はアレルギー検査で陽性と判断されると、半年~一年くらいはその食材を食べないように指導されていました。
しかし最近の研究調査では従来の完全除去治療を長期にわたり継続すると、かえって治りが遅くなる可能性があると言われています。むしろ、「食べられる範囲」で食べていくほうが、早く治癒に近づくと考えられるようになりました(食材によって違いがあります)。そこで大切なことは「食べられる範囲」を探すことです。専門用語で閾値(いきち)と呼ばれています。卵なら加熱具合、乳なら摂取量が閾値と関連があります。閾値を決めるための、正確な判定方法は食物経口負荷試験と呼ばれています。診察ではそのようなことをもう少し詳しくご説明いたします。また保育園・幼稚園・学校の給食の扱いについてもご説明して参ります。
さて、食物アレルギーといっても症状は軽いお子さんもいるし、重いお子さんもいます。また治りやすい食材と、治りにくい食材があります。症状がごく軽いお子さんで、かつ治りやすい食材の場合はご自宅で閾値を探しながら進めていく方法もあります。一方、症状が重いお子さんは食物経口負荷試験を受けて閾値を判定するのが安心できる方法です。なお、当院では食物経口負荷試験が実施できないため、お子さんの症状に応じて病院をご紹介させていただくことがあります。
また、食物アレルギーの中にアナフィラキシーと呼ばれる重い症状を認めるお子さんがいます。その場合エピペンという特殊な治療薬を準備しなければなりません。当院ではエピペンの正しい使い方を詳しく説明して参ります。すでにエピペンを持参されているお子さんの追加処方も行います。

湿疹・アトピー性皮膚炎について

子どもの湿疹は乳児期から始まることがあります。乳児期からはじまる湿疹は、しばしば1~2歳を過ぎたころから良くなることがありますが、良くなるまでの、しばらくの期間は辛抱して湿疹に向き合わないとなりません。湿疹治療は小さいお子さんでも大きいお子さんでも、ステロイド剤軟膏をどのように使い、どのように中止していくかがポイントです。湿疹は反復するため、そのたびにステロイド軟こうを再開して、再度中止していく、その繰り返しになります。現在、湿疹を1回の治療で治せるという先生はどこにもいらっしゃらないだろうと思います。湿疹は反復しますので、ステロイド軟こうの使い方の習得が必要です。当院では、早い段階で基本的事項をしっかり習得ていただくことで、保護者さんが自信をもって湿疹治療ができるように説明して参ります。
2歳以降も湿疹を繰り返すお子さんには、ステロイド軟こう以外に、プロトピック軟膏を使う方法があります。ステロイド軟こうの良い面と悪い面、プロトピック軟膏の良い点と悪い点とをご理解していただき、正しく使い分けができるようになることを目指します。
また、夜間かゆくて眠れない場合は内服薬も使います。いくつかの治療法を組み合わせて、なるべくお子さんが早く落ち着いた状態になることを目指します。

夜尿について

小学校に入学以降も夜尿(おもらし)が続く場合を夜尿症(やにょうしょう)と呼びます。あまり周囲に知られないようにしているだけで、実際には小学校低学年レベルでは夜尿(おもらし)しているお子さんは、たくさんいるだろうと思います。低学年レベルの夜尿は普通にあることで、異常ではありません。かつては夜尿症の治療法がなかったため、お子さんの成長を待って、自然によくなるのを待つようにしていました。
しかし、ここ数年で夜尿症の治療ができるようになりました。治療効果はそれぞれ異なりますが、夜尿を気にされているお子さんには試してみてもよいと考えます。6歳以上が適応です。当院で使っている夜尿症治療薬は毎日夜、寝る前に内服するお薬です。使い方の注意点、使い方のコツがありますので、希望される方にはご説明させていただきます。おもらしがあっても、全然気にしていないお子さんもいます。お薬はお子さんが毎日使うものですので、まずはご本人が治療してみたいと思うかどうかを確認いたします。
もし夜尿だけではなく、昼間もおもらしをすること(専門用語で昼間遺尿と呼びます)などがある場合は、別の病気が隠れていることもあります。その場合は専門医療機関にかかってみないとわからないこともあります。