に子供の病気Q&A

予防接種について

予防接種はいつから開始すれば良いのでしょうか。生後2か月を過ぎたころ開始するのがおすすめです。はじめに、ロタ・B型肝炎・ヒブ・肺炎球菌の4つを同時接種します。公費(無料)と自費(有料)のワクチンがあります。公費でできるワクチンは是非接種しましょう。自費ワクチンは接種しておくほうが良いですが、迷う場合は相談してください。スケジュールはクリニックにいらしていただいて直接相談していただいて大丈夫です。当院では予防接種・健診の専門時間(pm2:30)以外に、クリーンタイム(平日pm3:00-4:00、土曜pm3:00~3:30)があります。安心してご来院できるように、かぜ症状のあるお子さんとは時間を区別しております。ぜひご利用ください。

乳幼児健診について

親が教えなくても自然にできるようになることがたくさんあり、どれくらの時期からできるようになるのか、だいたい決まっています。健診ではからだに異常とお子さんの発達が年齢相当かどうかを診て参ります。発達は個人差があります。ほかのお子さんと比較したり、子育てとは「こうあるべき」ということにとらわれ過ぎずに育てましょう。受けていただくのは基本的に公費の健診(3~6か月、9~11か月、1歳6か月、3歳)で大丈夫です乳幼児健診に進む。それ以外の自費健診(1歳、2歳など)は何か心配があるときにご相談ください。

喘息

長く続く咳、夜眠れない、運動するとゼーゼー・ヒューヒューするなどの症状は気管支喘息を持つお子さんに見られます。ヒューヒューを喘鳴(ぜんめい)と呼びます。喘鳴(ぜんめい)が繰り返しある場合に喘息と診断します。喘息の診断の基本は聴診で喘鳴を確認することです。喘息といっても軽いお子さん~中くらい、重いお子さんまで様々で、治療方法が異なります。軽いお子さんは喘息発作がでたときだけ治療をすれば大丈夫です。中くらい~重いお子さんの場合は喘息発作がおきないように、日ごろからお薬を使います。乳幼児の喘息はしっかり治療をすることで、多くのお子さんが治ります。どのような治療を選んだらよいかはクリニックでご家族とお子さんが受け入れやすい方法をご提案して参ります。

息を吸うときのヒューヒュー音

息を吸うときにヒューヒュー、ケンケンして苦しそうな咳や、声がかすれるクループという病気があります。とくに小さいお子さんでは、夜中に睡眠ができないくらい咳がでることがあります。時には百日咳のこともあります。咳で受診する目安は夜眠れない程度なら是非受診すべきです。3歳以上のお子さんに同じような症状がみられるときは急性喉頭蓋炎のことがあります。お子さまの様子をみていて、眠れないくらいひどい場合、息が苦しそうだと感じたら躊躇せずに早めに受診するようにしましょう。

耳と鼻とのど

耳と鼻とのどから入ってきたウイルスはからだの免疫細胞と戦います。免疫細胞とウイルスなど(侵入者)の戦いを炎症(えんしょう)と呼びます。鼻やのどだけの狭い範囲の炎症なら「かぜ」です。炎症は耳にも広がり中耳炎になります。炎症が気管支に広がれば気管支炎や肺炎になります。以前はかぜになると抗生物質を処方する先生が多くいました。最近は抗生物質の使い過ぎによる耐性菌が問題視されています耐性菌について。抗生物は免疫力で勝てるような病気には使わないほうがよいです。また最近ではアレルギーの炎症をおこすお子さんもいます。お子さんに安心して使うことができるアレルギーのお薬を効果を確認しながら使います。

高熱

 
子どもは自分で症状を言わないから診断が難しいと言われます。必ずしもそうではありません。病気が悪そうな病気なのか、あまり心配のいらない病気なのかを判断することは、症状を我慢しない子どものほうがわかりやすいと言えます。高熱があっても、遊んだり、ごはんや水分もとれたりする場合は、あまり心配ないことがほとんどです。代表的な病気が突発性発疹症です。一方で川崎病や細菌性髄膜炎に代表される重い病気は、ぐったりしている、水分を取りたがらない、不機嫌などの症状が見られます。発熱の原因が重い病気なのか?心配のない病気なのか判断できない場合は微量の血液をとって炎症反応を測定することがあります。当院ではその日のうちに結果を出してご説明することができます。

腹痛

お腹の痛みはいろいろ原因が考えられます。診察でお腹を触っただけでは診断がつかないことがあります。心配のなさそうな腹痛と、心配な腹痛は区別する必要があります。うまく便が出せない、下痢をしているなど、腸の動きに異常がある痛みは一般的にあまり心配がいりません。おへそ周囲または、おなかの左側の痛みで、周期的に痛くなったり良くなったりします。一方虫垂炎に代表される心配な腹痛は時間がたつとだんだん悪化します。発熱、嘔吐などほかの症状も見られます。幼児期~学童期のお子さんがお腹を痛がるときは虫垂炎の可能性がないかどうか注意します。もしも虫垂炎が疑われるなら、検査や、必要な場合は手術までできるように準備をしなければなりません。診察してみて疑いがある場合には腹部エコー、腹部CT、腹部MRIなどができる医療機関をご紹介させていただきます。

下痢・嘔吐

下痢・嘔吐の原因の多くはウイルスが口から入って感染することによるウイルス性胃腸炎です。感染性胃腸炎ともいいます。最近はどの季節でも小さい流行はありますが、皆さんマスクと手洗いをするようになって減っています。便が白っぽくなることで知られるのはロタウイルス胃腸炎です。このウイルスをやっつけるお薬はありません。胃腸炎治療で大切なことは水分補給です。お水、お茶はダメです。塩分と糖分も一緒に補給することで早く良くなります。そのために経口補水液(OS-1)やイオン飲料(スポーツドリンク)で水分補給をすることをおすすめします。どのように水分補給をすればよいかは診察で詳しく説明いたします。いつから保育園や学校に行ってよいかも説明いたします。ウイルス性胃腸炎は集団の中で流行しやすい病気ですのでロタワクチンで予防しておくことをおすすめします。

便に血が混じる

便の表面にだけ血がついている場合は肛門付近から出血している可能性があります。便そのものがイチゴジャムのように赤い場合は注意が必要です。1歳前後の乳幼児なら腸重積という病気ではないか疑います。お腹を痛がる・火がついたように泣く、不機嫌、顔色が悪くなる、嘔吐するなどの症状があれば疑いがあります。腸重積は早期診断できれば入院して小児科で整復治療ができます。もし整復治療ができない場合には外科手術になることがあります。腸重積以外にも便に血が混じる病気はありますが、十分に注意をします。

落ち着きがない、マイペースな行動

ADHDという名前が広く知られるようになりました。落ち着きがない、衝動的な行動がある、同年齢のお子さんとのコミュニケーションが成り立ちにくいなど。それ以外に興味関心が変わっている、感覚過敏など。同年齢のお友達とのやりとりがうまくいかないことが多いです。ASD(自閉スペクトラム障害)など含めて発達障害と呼ばれています。発達障害は遺伝的なものと考えられており、妊娠中の出来事や生後の育て方が原因で後天的に生じるのではありません。発達障害の症状がはっきりする時期が、集団生活に入ってからであることが多いため育て方が悪かったせいではないか?と誤解されてまうことがあります。発達障害の症状はご家庭にいるときにはあまり目立ちません。集団生活ではっきりします。そのため気が付くのが幼稚園や保育園の先生であったりします。ご自宅では症状が目立たないことがしばしばあり、そのため園の先生と保護者さんとの間で見解の不一致がおきます。発達障害の可能性があるなら一度病院に受診して医師の診断をもらうと良いでしょう。できれば就学前に診断できるとお子さんにとって良い準備ができます。診断しないまま学校にあがると、お子さんにとって好ましくない結果になることがあります。ご自宅の様子だけでは発達障害かどうかは判断できないと心得ていただくと良いでしょう。当院では発達障害の疑いがあれば専門医療機関をご紹介させていただいています。診断までには時間がかかりますので、早い段階で受診することをお薦めしています。

食物アレルギーについて

始めて食べた卵・小麦・乳などで数時間以内にじんましんや顔が腫れたり、せき込んだり、嘔吐したり、機嫌が悪くなったり、そのような症状が反復して見られる場合に食物アレルギーを疑います。以前はアレルギー検査の結果で判断していましたが、最近は必ずしもアレルギー検査の判定結果(陽性・陰性)とアレルギー症状がでるかどうかは一致しないということがわかってきました。以前はアレルギー検査で陽性と判断されると半年~一年くらいはその食材を食べないように指導されていました。しかし最近の研究調査では従来の完全除去治療を長期に継続すると治りが遅くなる可能性があると言われるようになりました。「食べられる範囲」で食べていくほうが、早く治癒に近づくと考えられるようになりました(食材によって違いがあります)。大切なことは「食べられる範囲(閾値)」を探すことです。閾値を決めるための方法は食物経口負荷試験と呼ばれています。さて、食物アレルギーといっても症状は軽いお子さんもいるし、重いお子さんもいます。また治りやすい食材と、治りにくい食材があります。症状がごく軽いお子さんで、かつ治りやすい食材の場合はご自宅で閾値を探しながら進めていく方法もあります。症状が重いお子さんは食物経口負荷試験が推奨されます。当院では食物経口負荷試験が実施できないため、お子さんの症状に応じて病院をご紹介させていただくことがあります。食物経口負荷試験 実施施設一覧 またアナフィラキシーと呼ばれる重い症状を認めるお子さんがいます。アナフィラキシーってなあに.jp|マイランその場合エピペンという特殊な治療薬を準備しなければなりません。当院ではエピペンの正しい使い方を詳しく説明して参ります。エピペンの処方について

湿疹・アトピー性皮膚炎について

乳児期からはじまる湿疹は、しばしば1~2歳を過ぎたころから良くなることがありますが、良くなるまでの期間は辛抱して湿疹に向き合います。湿疹治療はスキンケアとステロイド剤軟膏をどのようにいつまで使い、どのように中止していくかがポイントです。楽しく洗って皮膚を清潔に 湿疹は反復するため、そのたびにステロイド軟こうを再開して、再度中止していく、その繰り返しになります。当院では早い段階で基本的事項をしっかり習得ていただくことで、保護者さんが自信をもって湿疹治療ができるように説明して参ります。2歳以降も湿疹を繰り返すお子さんにはプロトピック軟膏を使う方法があります。プロトピック軟膏についてご理解していただき、正しく使くことができるようになることを目指します。夜間かゆくて眠れない場合は内服薬も使います。いくつかの治療法を組み合わせて、なるべくお子さんが早く落ち着いた状態になることを目指します。

夜尿について

小学校に入学以降も夜尿(おもらし)が続く場合を夜尿症(やにょうしょう)と呼びます。実際に小学校低学年でおもらししているお子さんはたくさんいます。低学年の夜尿は異常ではありません。かつて夜尿症の治療法がなかったころはお子さんの成長を待って、自然によくなるのを待つようにしていました。しかし夜尿症の治療ができるようになり、気にされているお子さんには試してみてもよいでしょう。夜尿症治療薬は毎日寝る前に内服するお薬です。使い方のコツがありますのでご説明させていただきます。おもらしがあっても、全然気にしていないお子さんもいます。まずはご本人が治療してみたいと思うかどうかを確認いたします。夜尿だけではなく、昼間もおもらしをすることがある場合は別の病気が隠れているかもしれません。その場合は専門医療機関をご紹介させていただきます。